救急搬送④
救急車は地下のコロナ専用と思われる入口についた。
担当者がくるまでしばらく待機。
扉の外から看護師と救急隊員のやり取りが聞こえてくる。
看護師は上から下まで重装備で、ビニールに囲われた車イスを押して出迎えてくれた。
救急隊員も私から感染している可能性があるからか、院内は侵入禁止。
私の荷物や紹介状は全て車椅子内に入れられて密閉される。
救急隊員は、病院から搬送完了のサインをもらわないと帰れないというが、看護師は接触できないので後から別の係の者がくるので待ってほしい、みたいなやり取りがなんとなく聞こえてくる。
ビニール囲いの中から救急隊員におじぎをさて、車椅子で運ばれる。扉を入ってすぐエレベーターに乗った。エレベーターの中も感染対策だろうか、木板で目張りされている。
ビニール越しに看護師から説明を受けるが、ファンの音でほとんど聞こえない。
そのまま病室に運ばれた。
病室の扉を入るとすぐビニールカーテンが垂れ下がっていて、その先にベッドが1台用意されていた。
病室では別の看護師が2名待機していて、
用意された下着と服に着替える様指示を受ける。
着替えが終わるとベッドに寝かされ、
お腹にモニターを装着。
鼻から再度コロナの検査。
右手に点滴、左手から採血、指には酸素測定器、あらゆる処置がてきぱきと進められていく。
途中ベビちゃんの心拍がとれなくなり、
酸素マスクも装着。
緊迫した空気がはりつめる。
医師もやってきて、内診とエコーで状況を確認する。
明かりがほしい!
本来内診する設備ではないので、照度が足りないらしく、外の看護師に明かりを持ってくる様指示がとぶ。
何もできず、ただ身を任せて祈ることしかできない。
お願い、無事でいて。